法統相続には、因縁により「四苦八苦」が行く手を阻みます。「四苦八苦」の辛さに気持ちが左右されることなく、強盛な信心を貫くことが大事です。信心をしていればということで安心できません。心の準備を勤行唱題で、強い精神を常に養うことが大切です。何気なく安心するところに苦しみが生じる原因があります。
「四苦八苦」とは、生老病死の四苦と愛別離苦(あいべつりく)・怨憎会苦(おんぞうえく)・求不得苦(ぐふとっく)・五陰盛苦(ごおんじょうく)です。時に法統相続の障害となる苦しみです。親御さんは子供の「四苦八苦」に左右されます。
まず生きる苦しみ生苦は、結婚をして子供が産まれれば、法統相続に伴う苦しみが必ずあります。結婚の当初は、理想や期待感で気持ちが満たされ、法統相続に於ける「四苦八苦」の厳しさが見えなくなりますが、子供が成長することで、「四苦八苦」を身に染みて経験します。毎日の勤行唱題は、この法統相続に於ける「四苦八苦」の苦しみを、親子共々、成仏の種に変えて、苦しみを菩提に転じ、法統相続の糧に御本尊様の力用で変えます。子供の将来を考え、希望を失うことなく精進することでしょう。
苦しみの反面、子供は多くの生きる希望を親御さんに与えます。正しく子供は宝といわれる由縁です。信心をして、法統相続の過程で経験する多くの楽しいことや辛いことが、折伏に重要な智慧になるのです。この体験談を持って家庭訪問をし、折伏することが大事です。信心をしていない結婚したての夫婦には、有り難い知識になり、そこから折伏成就や教化育成に結び付けていきます。
次に病苦と死苦が、法統相続を邪魔するときがあります。子供の突然の病苦や死苦が法統相続の障害になります。親御さんは、挫折感や絶望感に浸ることなく、御本尊様を信じ、信心を貫くことが必要です。法統相続の過程において、病苦と死苦は、三障四魔の姿となって出現します。先立たれた子供を悲しむ気持ちは非常に辛いものがあります。辛さをバネに強く生きなければなりません。この気持ちが、子供の追善供養に繋がります。
次に愛別離苦(あいべつりく)です。因縁により親子が別々に生活しなければならない場合があります。別々に生活するということは、法統相続に弊害が生まれ、子供を教化育成するのに困難となります。離婚などにより愛別離苦という苦しみが生まれ、法統相続の障害となります。
次に怨憎会苦(おんぞうえく)です。親子の関係に怨念や憎悪が生じると法統相続が難しくなります。親と子が互いに怨み憎む関係になると大変です。幼少の頃からの信心の教化育成が、いい加減であったことが窺えます。親子関係に怨憎会苦を生じない方法は、如何に幼少の頃、正しい信心を教えたかに重要な鍵があります。成人してからの法統相続には、世間的な思想が子供の身心に入り込んでいるため難しくなります。その時、怨憎会苦という苦しみが障害となります。
次に求不得苦(ぐふとっく)とは、法統相続における育成をしても、親御さんの言い付けを、全く聞いてくれないという苦しみで、法統相続をしても育成が上手くいかない苦しみです。法統相続が上手くいっている家庭に、複雑な気持ちが心に生じる苦しみでもあります。「禅定」と「忍辱」を忘れることなく精進することです。
最後に五陰盛苦(ごおんじょうく)です。子供の五陰という色受想行識に親御さんは苦しめられることがあります。子供の心に生まれる迷いや悩みが見えなくなる苦しみです。成長するごとに、子供の心が見えにくくなります。凡眼凡智を改め御本尊様から仏眼を頂き明らかに見ることが大事です。これも当然、法統相続の障害となります。
以上、法統相続の障害となる四苦八苦について見てきました。これらの四苦八苦は、親御さんの成仏を助ける有り難い仏因と考えることが大切です。
