『法華経』の「妙音菩薩品第二十四」(法華経542)には、東方の妙音菩薩が三十四身を現して、広く十方世界に法華経を流布することを説いたものです。妙音菩薩の布教姿勢を、日蓮大聖人の御指南のもとに拝するところ正しく理解できます。
妙音菩薩とは、浄華宿王智仏の浄光荘厳国を本処とする菩薩です。衆生を救うために、その機根に従った三十四種に身を変化させ、法華経を説きます。
妙音菩薩の三十四身とは、梵王・帝釈・自在天・大自在天・天大将軍・毘沙門天王・転輪聖王・小王・長者・居士・宰官・婆羅門・比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷・長者婦女・居士婦女・宰官婦女・婆羅門婦女・童男・童女・天・竜・夜叉・乾闥婆・阿修羅・迦楼羅・緊那羅・摩鍮羅伽・地獄・餓鬼・畜生・女身が、妙音菩薩の三十四身です。
御本尊様に御題目を唱え信心する時、僧俗和合し異体同心するところ、妙音菩薩の三十四身を現実のものにすることが出来ます。一人の人物が、多重人格となり、三十四の分身した体になるという意味ではありません。
日蓮正宗の僧俗が和合するところ、十人十色・千差万別となる価値観が妙法の功徳により、妙音菩薩の三十四身を再現することをいうのです。故に「妙音とは自行化他に渡る御題目の声」という意味は、僧俗和合と異体同心する信心の姿にあります。それが自行化他に渡るところの御題目の声となって行くわけであります。つまり、それが「妙音」ということです。
「妙音品」には、この菩薩は過去の雲雷音王仏の世に十万種の伎楽と八万四千の七宝の鉢を仏に供養した功徳によって浄光荘厳国に生まれ、種々の神通力を得たという因縁が説かれています。
『御義口伝』に「妙音品三箇の大事」(御書1787)が説かれ「第一 妙音菩薩の事」「第二 肉髻白毫の事」「第三 八万四千七宝鉢の事」という三つの大事があります。
「第一 妙音菩薩(みょうおんぼさつ)の事」には、
御義口伝に云はく、妙音菩薩とは十界の衆生なり。妙とは不思議なり、音とは一切衆生の吐く処の語言音声、妙法の音声なり、三世常住の妙音なり。所用に随って諸事を弁ずるは慈悲なり、是を菩薩と云ふなり。又云はく、妙音とは今(いま)日蓮等の類南無妙法蓮華経と唱へ奉る事、末法当今の不思議音声なり。其の故は煩悩即菩提・生死即涅槃の妙音なり。」
と仰せであります。つまり、勤行唱題や折伏において発声する「声」になります。 更に『御講聞書』に、
「一 妙音菩薩の事、
仰せに云はく、妙音菩薩とは十界の語言音声(おんじょう)なり。此の音声悉(ことごと)く慈悲なり。菩薩とは是なり云云。」(御書1787)
と御指南です。三界六道の命を払拭させた、仏菩薩に通じる慈悲の声を「妙音」といいます。地獄に堕ちるように願い、御題目を唱える人の声を言うのではありません。このような人は「慈悲」の心を完全に失っており、三毒の貪瞋癡に汚染された哀れな衆生です。特に創価学会の方に多く見受けられるようです。
故に「妙音菩薩品第二十四」では、僧俗和合と異体同心の大切さが説かれており、自行化他の信心にあります。
