日蓮正宗 正林寺 掲示板

法華講正林寺支部 正林編集部

心を翻(ひるが)へさず一筋に

正林寺御住職指導(R7.12月 第263号)

 

 令和7年の「活動充実の年」も残すところ1ヶ月となりました。 
 宗祖日蓮大聖人は『上野殿御消息』に、
「心を翻(ひるが)へさず一筋に信じ給ふならば、現世安穏後生善処なるべし」(御書923)
と仰せであります。決して心を迷わせることなく、ただ一筋に法華経を御本尊を堅く信じていかれるならば、現世は安穏であり、来世は必ず善い所、仏の境界に生まれることができるでしょうとの御言葉です。
 心を翻(ひるが)へさず、たとえ状況が悪くなったり、難に遭ったりしても、「疑う心」を起こして信仰を捨てたりしないよう不退転の決意をするようにとの教えです。
 現世安穏(げんせあんのん)とは単に「何も問題が起きない」という意味ではありません。どのような困難が起きても、信仰の力によってそれを乗り越え、悠々と境界を開いていける状態(何があっても崩れない幸福)を指します。
 後生善処(ごしょうぜんしょ)は来世において、善い所(仏の世界や、また人間に生まれて仏法を実践できる環境)に生まれることで成仏することを意味します。

 このお手紙を賜った南条時光(上野殿)は、当時まだ若く、幕府からの圧力や経済的な苦境に立たされていました。
 日蓮大聖人はこの手紙を通して、「今は苦しいかもしれないが、迷わず信仰を貫けば、今世も来世も絶対に間違いのない絶対的幸福な境界になれる」と、青年である時光を温かく、また力強く励まされています。
 講中の皆様には一年を振り返られて、様々なことを経験されたと拝察いたします。喜びもあれば、思いがけない試練もあったかもしれません。しかし、大切なことは「過去」に囚われることではありません。「この一年の最後をどう締めくくるか」です。たとえ障魔が生じても最後の一日まで「心を翻さず」、御本尊への祈りを貫いていくことが大事です。十二月は、一年の「総仕上げ」の時であり、新しい年を迎える「助走」の時でもあります。忙しい時期だからこそ、一筋の信心という「心の軸」を土台に、今年一年を最高の「安穏」な心で締めくくってまいりましょう。そのためにも大聖人が仰せである、
「苦をば苦とさとり、楽をば楽とひらき、苦楽ともに思ひ合はせて、南無妙法蓮華経とうちとなへゐさせ給へ。これあに自受法楽にあらずや。いよいよ強盛の信力をいたし給へ。」(御書991)
との御指南と、
「難来たるを以て安楽と意得べきなり」(御書1763)
との御教示を、活動において充実させていただくことが、講中皆様の一生成仏に不可欠と存じます。

 さて、「心をひるがえす」とは「余念」が原因となります。大聖人は、

余念なく一筋に信仰する者をば」(御書923)
と仰せであります。その余念に迷わされることなく信心が持続できれば、
「影の身にそふが如く守らせ給ひ候なり」(御書923)
との御本尊からの有り難い御加護があります。人身は草の上で朝露のようにコロコロ転がり八風におかされやすいため、一筋には行きませんが「余念なく一筋に」「心をひるがえす」活動を充実させていただくことが大切であります。大聖人は『松野殿御返事』に、
「在家の御身は、但余念なく南無妙法蓮華経と御唱へありて、僧をも供養し給ふが肝心にて候なり。それも経文の如くならば随力演説も有るべきか」(御書1051)
と。

 本年初頭、御法主日如上人猊下は、立宗773年(令和7)の新春を迎える「新年の辞」におかれまして、
「『活動充実の年』は、全国の法華講中が仏祖三宝尊への御報恩のもと、講中の総力を結集し、強力な体勢を構築して活動の充実をはかり、勇猛果敢に折伏を実践し、大きく前進すべき誠に大事な年であります。
 講中においては、先ず、僧俗一致・異体同心の盤石なる体勢を構築して、講中一同がお互いに励まし合い、効果的に広布への活動が出来るようにしていくことが肝要であります。」(大白法 第1140号 R7.1.1)
と御指南あそばされました。その御法主上人猊下の御指南とは異なる信行の場合、心がひるがえることであり「余念」があることになり、一筋に信仰する者とはいえません。
 さらに、年間実践テーマの、(1)勤行・唱題で果敢に折伏、(2)登山推進と寺院参詣で講中の活性化、(3)活発な座談会で人材育成、においては講中活動を振り返り、一年を締めくくるために再確認する大事な時期が12月になります。

 その本年を振り返り、「活動充実の年」では、僧俗一致・異体同心の一助に住職として1月には「塚原問答」を通して問答のお話しを、2月には富士の立義の上から「伝統の二月」について、3月は第2祖日興上人が誕生あそばされて780年に当たり、余念と二乗根性を誡める「梨の葉の逸話」、4月は釈尊の誕生の月にあたるため「教主釈尊に六種の不同あり」を、5月には唯授一人の血脈相承「日蓮正宗の師資相承(金口と金紙)」、6月は『下山御消息』の「教主釈尊より大事なる行者」とは、後半戦の7月は米価の高騰を目の当たりにして「白米を法華経に供養する功徳」、8月は盂蘭盆会が奉修されるため臨終後の大聖人の御化導について「日蓮必ず閻魔法王にも委しく申すべく候」を、9月は第300遠忌をお迎え申し上げた「第二十六世日寛上人」、10月は御会式が奉修されるため「富山の蘭室の友に交わる信行」、11月は目師会と七五三が行われるため「七五三祝い」、今月12月は「心を翻(ひるが)へさず一筋に」とのお話しを、縦糸と横糸のつながりのさらなる強化のためにさせていただきました。

 御法主日如上人猊下は『令和7年11月度 広布唱題会の砌』に、
「爾前の諸経等はすべて『無得道堕地獄の根源』(中略)であります。したがって、私どもは不幸を招く元凶である邪義邪宗の謗法に対しては厳しく対応し、『折伏正規』『謗法厳誡』の宗是を固く守り、厳として破邪顕正の折伏を行じていくことが肝要であります。
 されば今、私どもは謗法によって苦しんでいる人を見て、そのまま見過ごしてしまうのではなく、大慈大悲の心を持って折伏すべきであります。もし、謗法を責めもせず、折伏もしなければ、自行化他の信心の上からいって満足な信心とは言えず、たとえいかに成仏を願っても、火の中に水を求め、水の中に火を求めるようなもので(中略)あります。
 私ども一同、(中略)一人ひとりが謗法の害毒によって苦悩に喘ぐ多くの人々を救い、真の幸せを実現すべく、勇躍として折伏に励むことが今、いかに大事であり、急務であるかを知らなければなりません。
 どうぞ、皆様方には(中略)一天四海・皆帰妙法を目指して断固決然として折伏を行じ、講中一結・異体同心して、いよいよ自行化他の信心に励まれますよう心から願い、一言もって本日の挨拶といたします。」(大日蓮 第958号 R7.12)
と御指南あそばされております。
 大聖人の『曽谷入道殿御返事』に仰せであります、
「心の師とはなるとも心を師とせざれ」(御書794)
との、正しい心の師(三宝)を大事に、宿業多き限られた自分自身の経験則を過信し、自分の心を師としないよう活動充実には心がけたいものであります。
 さらに、大聖人が『御義口伝』に、
「南無妙法蓮華経は大歓喜の中の大歓喜なり」(御書1801)
と仰せのように、身口意の三業にわたり「大歓喜」が躍動するように活動充実を実践することにより、障魔も断固として打ち砕き、妙法広布へ前進していくことができることを確信することが非常に大切となります。
 まずは、三大秘法の御本尊に値遇させていただけた知恩報恩を心肝に染めて、御開山日興上人の『遺誡置文』に御教示である「浮木の穴に比せん」(御書1883)との「一眼の亀」が赤栴檀の浮木の穴に、丁度収まり冷え切った背中と火のように熱くなったお腹を入れ違うことのない状態が、有り難いことに日蓮正宗僧俗の信心であります。この信心を翻すことなく一筋に行うことが、「心を翻へさず一筋に」ということであります。
 異流義の創価学会や顕正会は、残念ながら現在、赤栴檀の浮木に値遇するものの背中とお腹が上下逆さまに収まり違いをしている状態であります。そのため、正しく物事が見ることができなくなっています。

 最後に、毎年12月は、本年の総仕上げと同時に、明年を見据えた活動準備を実践する大事な時期です。心を翻へさず一筋に、活動を充実させ、「団結行動の年」の準備に精進いたしましょう。

 

宗祖日蓮大聖人『義浄房御書』に曰く、
あい かまへ あい かまへて こころの とはなるとも こころを とすべからずと ほとけは しるし たまひしなり。法華経ほけきょうの 御為おんために をも て いのちをも しまざれと 強盛ごうじょうに もうせしは これなり。」(御書669)