正林寺御住職指導(R8.1月 第264号)
年始めには「初夢(はつゆめ)」という言葉に触れます。初夢は、新年に見る最初の夢のことを指します。一般的には1月2日の夜に見る夢とされていますが、元日の夜とする説や、新年最初に見た夢とする説もあるようです。現在の初夢が正月に見る夢として定着したのは江戸時代で、「大晦日から元日」「元日から2日」「2日から3日」という三つの説が現れました。
世間的に縁起の良い夢として「一富士、二鷹、三茄子(いちふじ、にたか、さんなすび)」という言葉が有名です。これらを夢に見ると縁起が良いとされています。富士山は、日本一高い山で、高い目標や成功の象徴。鷹は賢く強い鳥で、大きな成果を掴む象徴。
茄子は「成す」という言葉にかけて、物事が成就する象徴とされています。その由来として、この順番については諸説あり、徳川家康が好んだものという説や、駿河国(現在の静岡県)の名物を並べたという説があります。
初夢は、新しい年の幸運を占う楽しい習慣として、今も多くの人々に親しまれています。良い夢を見られるよう、枕の下に宝船の絵を敷いて寝る風習もあったそうです。
宗祖日蓮大聖人は「夢」について『四条金吾殿御返事』に、
「一生はゆめの上、明日をご(期)せず」(御書1162)
と仰せでいらっしゃいます。人間の一生は夢のように儚いもので、明日のことさえ定かではないとの意味と拝します。さらに『三世諸仏総勘文教相廃立』に、
「夢と寤(うつつ)との中には夢中の善悪なり」(御書1408)
と仰せあそばされております。
総本山第67世日顕上人は、
「夢は真実ではない事柄を言うのであり、寤は現実のはっきりした頭脳明晰な考えを持った心の状態を言います。」(総勘文抄御説法23)
と御教示でございます。
つまり「夢」は、仏法上において六道による迷妄の凡夫の生命状態であり妄想・邪念の傾向があり、三大秘法の御本尊を受持信行させていただく境界に、四聖である声聞・縁覚・菩薩・仏に通じる夢があるでしょう。
さて、夢ではなく現実の寤においては、新年から令和八年の年間方針と年間実践テーマを御法主日如上人猊下御指南のもとに出発いたします。
令和八年の年間方針は『団結行動の年』になります。年間実践テーマは、(1)真剣な勤行・唱題で折伏実践 (2)支部総登山と法華講講習会で人材育成 (3)活発な座談会と異体同心の団結で広布前進になります。
令和八年の年間方針『団結行動の年』については、講中が僧俗一致・異体同心の団結のもと、宗祖御遺命の広宣流布大願成就に向かって一人ひとりが立ち上がり、自ら行動を起こしていくことを企図するものになります。
宗祖大聖人は『異体同心事』に、
「日蓮が一類は異体同心なれば、人々すくなく候へども大事を成じて、一定法華経ひろまりなんと覚へ候」(御書1389)
と教示されております。この御金言を合言葉に広布への熱き思いを結集し、切磋琢磨して精進するところ、必ずや仏祖三宝尊の御加護をいただき、折伏誓願目標達成に向けて前進することができるとの勇猛精進が大事であります。
現今の世情はまさしく末法濁悪の様相を呈し、人々は宗教の正邪を弁えず、謗法の害毒がまん延しています。
かかる状況下にあって、講中では、謗法こそが世の不幸と混迷の根本原因であることを広く知らしめ、多くの人を救済すべく、強盛な信心を奮い起こして折伏に取り組んでいくことが肝要となります。
講中には、御法主日如上人猊下の常日頃の御指南を心肝に染め、折伏誓願目標の達成を目指して実践行動し、広布実現に向けて不自惜身命の信心をもってご精進願います。
次に、令和八年の年間実践テーマについてであります。
三項目の年間実践テーマは信行の根幹をなす指針になります。
(1)真剣な勤行・唱題で折伏実践
朝夕の勤行と唱題は信心の基本であり、苦難を乗り越えて祈りを成就するために欠かせない大切な修行です。時間を決めて毎日行いましょう。
広大無辺なる御本尊の仏力・法力を確信して真剣な勤行・唱題に励み、その功徳と歓喜をもって行動を起こし、誓願目標の達成に向かって果敢に折伏を実践してまいりましょう。
新入講者に対しては、一日も早く御本尊を御安置できるよう育成し、御本尊下付を推進いたしましょう。御本尊を受持していない講員は、寺院の勤行時間に合わせ参詣して勤行・唱題を行いましょう。
(2)支部総登山と法華講講習会で人材育成
本門戒壇の大御本尊と、血脈付法の御法主上人猊下おわします総本山への登山は、自らの罪障を消滅させていただき、無量の福徳を積むことが叶います。
そして、登山された本人はもとより登山を勧めた方も共に功徳に浴することができます。
支部総登山は、参加を推進するなかで、講中組織の足腰が強化され、活発化が進む重要行事になります。家庭訪問の際には、支部総登山の意義と功徳を伝え、多くの檀信徒の参加を呼びかけましょう。
また、法華講講習会は、総本山で信行学を磨き、地元に戻って折伏と育成に励む推進力となる行事です。講中一丸となって多くの講員が参加できるよう積極的に推進いたしましょう。
特に役員・幹部・活動家は、支部総登山と法華講講習会に必ず参加して講員に手本を示されて、広布の人材を輩出できるよう育成に力を注ぎましょう。
(3)活発な座談会と異体同心の団結で広布前進
座談会は、大聖人の教えや正しい信心のあり方を学び、同信の友との語らいを通じて連帯を深める大切な機会になります。互いに励まし合って信心を磨く善知識の集まりです。寺院での開催や地区や班など檀信徒宅で開催の時には、異体同心して広布へ前進できるよう、座談会には多くの講員が参加しましょう。
また、新来者の参加により、新鮮で活気ある座談会を継続することができます。新来者の参加推進にも注力し、適した企画を練って充実した座談会を開催に努めましょう。
以上、令和八年の年間方針『団結行動の年』の意義を心に刻み、群馬布教区広布推進会、寺院の行事、講中の諸活動、法華講連合会・群馬地方部の会合等に参加され三項目の年間実践テーマを着実に実践して、令和八年の折伏誓願目標必ず達成いたしましょう。
講中各位様には、異体同心して折伏・育成を実践し、広宣流布に向かって勇猛精進せられるよう切に願います。
最後に、夢で終わらせることなく実践するための年間方針と実践テーマであります。
宗祖日蓮大聖人は『生死一大事血脈抄』に曰く、
「相 構へ 相 構へて 強盛の 大信力を 致して、南無妙法蓮華経 臨終正念と 祈念し 給へ。生死一大事の 血脈 此より 外に 全く 求むることなかれ。
煩悩 即 菩提・ 生死 即 涅槃とは 是なり。信心の 血脈なくんば 法華経を 持つとも 無益なり。」(御書515)

