正林寺御住職指導(H25.2月 第109号)
宗祖日蓮大聖人は文永九年(一二七二)二月に極寒の佐渡において『開目抄』を紙や筆の乏しい塚原三昧堂において著されました。現在は塚原三昧堂の跡地に佐渡塚原跡碑が建立されています。
この厳しい寒い時期において信心修行の姿勢を大聖人が佐渡御配流の地におかれ弟子檀那に身を以って振る舞われた御教示と拝します。
大聖人は『種々御振舞御書』に、
「塚原と申す山野の中に、洛陽の蓮台野のやうに死人を捨つる所に一間四面なる堂の仏もなし、上はいたまあはず、四壁はあばらに、雪ふりつもりて消ゆる事なし。かゝる所にしきがは打ちしき蓑うちきて、夜をあかし日をくらす。夜は雪雹・雷電ひまなし、昼は日の光もさゝせ給はず、心細かるべきすまゐなり。」(御書1062)
と佐渡の塚原三昧堂での様子を仰せです。
大聖人は『妙一尼御前御消息』に、
「法華経を信ずる人は冬のごとし、冬は必ず春となる。いまだ昔よりきかずみず、冬の秋とかへれる事を。いまだきかず、法華経を信ずる人の凡夫となる事を。」(御書832)
と仰せです。私達の人生や信心においての厳しく苦しい環境では、大聖人が極寒の佐渡塚原で御生活された様子を我が身に受け止めて拝し、寒い冬は必ず暖かい春となることを信じて諦めず、厳しい極寒のような生活を堪え忍んで一日一日を大事にし一丈の堀を越えるように生活していくことです。その辛く苦しい人生での環境が貴重な経験となり資糧となって人間性や精神が養われていきます。
大聖人が仰せの「冬は必ず春となる」との御言葉を常に心得て信心して生きていくところに幸せと成仏があります。
