平成22年2月度 広布唱題会の砌
(於 総本山客殿)
(大日蓮 平成22年3月号 第769号 転載)
本日は、二月度の広布唱題会に当たり、皆様には多数の御参加、まことに御苦労さまでございます。
さて、再三再四、申し上げていることでありますが、本年「広布前進の年」は、平成二十七年・三十三年の新たなる目標へ向けて第一年目の年に当たり、目標達成にとって極めて大事な年になります。
月日の経つのはまことに早く、平成二十七年も三十三年も瞬く間に来てしまいます。したがって、各講中ともに、初年度の本年から、一日一日を惜しむことなく折伏を行じ、一人も漏れず、目標達成のための戦いに参加していただきたいと思います。
特に、昨今の混沌とした国内外の状況を見ますると、中東をはじめ世界の各地で内戦・テロ・暴動が勃発し、国内では政治・経済・外交など、多難な問題を抱え、我々とて、けっして安閑としておられない状態であります。
もともと、我々の生活と国家社会乃至国土世間との関係は極めて密接で、天災・人災を問わず、国土世間が荒廃し、騒乱すれば、その影響を有無なく受けるのは我々であります。
地震・津波・異常気象・飢餓などの天災をはじめ、地球温暖化による環境破壊などはそうした脅威の最たるものでありますが、このほかにも、貪瞋癡の三毒強盛にして人心が極度に荒廃している今、もし大規模な戦争などが勃発すれば、個人の生活や尊厳などはひとたまりもなく蹂躙され、その結果、国家は衰微・滅亡し、場合によっては世界全体が壊滅的打撃を受け、悲惨な結果を招くことになりかねないのであります。
『立正安国論』には、
「国を失ひ家を滅せば何れの所にか世を遁れん。汝須く一身の安堵を思はゞ先づ四表の静謐を祈るべきものか」(御書249㌻)
と仰せられているように、国家の破壊・滅亡は国民全体が逃げ場を失い、惨澹たる結果を招くことになるのであります。
まさしく、国家社会の平和・安穏は全人類の等しく願うところであり、国家社会が安穏であってこそ、個人の生活も平穏に過ごせることができるのであります。故に『立正安国論』には、
「国に衰微無く土に破壊無くんば身は是安全にして、心は是禅定ならん」(御書250㌻)
と仰せられています。
すなわち、国家社会の盛衰と我々の生活の安否とは直結しており、国家社会が衰微なく繁栄し、平和で安穏でなければ、個人の平穏は図れないのであります。したがって、我が身の平穏を願うためには、まず国家社会が平和で安穏であることが必然的要件となるのであります。
『韓非子』には、
「而が家を富まさんと欲せば、先ず而が国を富ませ」
とあります。
すなわち、自分の家の繁栄を願うならば、まず自分の国を豊かにし、繁栄させることであると言っているのであります。
また、先程の『立正安国論』の御文においては、
「汝須く一身の安堵を思はゞ先づ四表の静謐を祈るべきものか」(御書249㌻)
と仰せられているのであります。
「四表の静謐」の「四表」とは東西南北の四方のことでありますが、転じて世の中、天下のことであります。「静謐」とは世の中が穏やかに治まることであります。すなわち、自分自身の安堵を願うならば、まず世の中が穏やかに治まるよう祈るべきであると仰せられているのであります。
しかれば、いかにして四表の静謐を祈り、我が国土を、国家社会を、世界を平和で富んだものにすることができるのか。そもそも、なぜ国家社会・国土世間に三災七難等が起き、騒乱し混乱するのか。大聖人は、その原因を、
「倩微管を傾け聊経文を抜きたるに、世皆正に背き人悉く悪に帰す。故に善神国を捨て相去り、聖人所を辞して還らず。是を以て魔来たり鬼来たり、災起こり難起こる。言はずんばあるべからず。恐れずんばあるべからず」(御書234㌻)
と御教示されているのであります。
すなわち、徳義が廃頽し、人心が腐敗し、災難が起き、国土世間が騒乱し、混乱するのは「世皆正に背き人悉く悪に帰す」故であります。つまり、世の中の混乱と不幸と苦悩の原因は、ひとえに邪義邪宗の謗法の害毒によるのであります。
よって、根本的にこの邪義邪宗の謗法を対治しなければ、一人ひとりの幸せも、国家社会の安穏も、世界の平和も築くことはできないのであります。故に『立正安国論』には、「若し先づ国土を安んじて現当を祈らんと欲せば、速やかに情慮を廻らし怱いで対治を加へよ」(御書248㌻)
と仰せられ、さらにまた、同じく『立正安国論』には、
「早く天下の静謐を思はゞ須く国中の謗法を断つべし」(御書247㌻)
と仰せられているのであります。
「怱いで対治を加へよ」と仰せられ、「国中の謗法を断つべし」と仰せられた御意は、折伏をせよということであります。折伏をもって謗法を対治し、正法に帰依せしめ、もって、初めて真の天下泰平・国土安穏・世界の平和を実現することができるのであります。
もちろん、世の中のいわゆる識者達は、その道でそれぞれ平和のために努力はしておりますが、根本のところで謗法があれば「善神国を捨てヽ相去り、聖人所を辞して還らず。是を以て魔来たり鬼来たり、災起こり難起こる」結果となるのであります。
すなわち、今時末法においては、御本仏大聖人の唱えられた、一切衆生救済の秘法たる文底下種の妙法蓮華経によって、初めてすべての人々の幸せと、真の恒久的世界平和を実現することができるのであります。故に『立正安国論』には、
「汝早く信仰の寸心を改めて速やかに実乗の一善に帰せよ。然れば則ち三界は皆仏国なり、仏国其れ衰へんや。十方は悉く宝土なり、宝土何ぞ壊れんや。国に衰微無く土に破壊無くんば身は是安全にして、心は是禅定ならん。此の詞此の言信ずべく崇むべし。(御書250㌻)
と仰せられているのであります。
「実乗の一善」の「実乗」とは、権大乗に対しての実大乗、「一善」とは最高善、唯一の善の意で、すなわち法華経のことでありますが、ただし再往、大聖人様の御正意は文上の法華経ではなく、法華経文底独一本門の妙法蓮華経にして、三大秘法の随一、本門の大御本尊に帰命することが「実乗の一善に帰する」ことであります。
よって、我々はこの御金言を深く拝信し、本年「広布前進の年」にふさわしく、強盛なる信心に立ち、揺るぎない決意と勇気をもって折伏を行じ、もって、すべての人々の幸せと仏国土実現を図っていくことが、今こそ最も肝要であります。
そこに、自らの幸せを必ず実現できるのであります。否、自らの幸せを願うならば、まず仏国土実現の願業たる折伏を行じていくことが最も大事となるのであります。
日興上人は『日興遺誠置文』に、
「未だ広宣流布せざる間は身命を捨てヽ随力弘通を致すべき事」(御書1884㌻)
と仰せであります。
どうぞ、皆様にはこの御指南を心肝に染め、本年「広布前進の年」を悔いなく戦いきり、自らの信心を確立するとともに、広布の大願へ向けていよいよ勇猛精進されますよう心からお祈り申し上げ、本日の挨拶といたします。
日蓮正宗公式HP


