日蓮正宗 正林寺 掲示板

法華講正林寺支部 正林編集部

苦をも苦と思わず

正林寺御住職指導(H28.11月 第154号)  

 

 人生の中で経験する、四苦八苦を乗り越えるために、大切な心がけが「苦をも苦とおもはず」です。

 宗祖日蓮大聖人は『四条金吾殿御書』に、
「日蓮此の業障をけしはてゝ未来は霊山浄土にまゐるべしとおもへば、種々の大難雨のごとくふり、雲のごとくにわき候へども、法華経の御故なれば苦をも苦とおもはず。」(御書470)
と仰せであります。御本尊を持ち信心するなかで、苦しみが雨のように降ってきても、雲のように湧いてきても、御本尊のお計らいであり、現当二世余念なく一筋に確信するならば、苦しみと思うほどではないとの御言葉と拝します。
 雨のように、雲のように現れる苦難は、三障四魔です。大聖人は『三沢抄』に、
「雨に雲のあるがごとく、三障四魔と申して七の大事出現す。」(御書1202)
と仰せであります。 

 化他行の折伏を行ずる時にも、個々の因縁により苦しみをともないます。その理由について大聖人は『佐渡御書』に、
「八種の大難に値へるなり。此の八種は尽未来際が間一つづつこそ現ずべかりしを、日蓮つよく法華経の敵を責むるによ(依)て一時に聚まり起こせるなり。」(御書582)
と仰せであります。

 折伏の時に経験する苦難、八種の大難は自らが積んだ過去世の罪障を一度にすべて集めて起こることを御教示です。尽未来際という、未来の果てに至る間に一つずつ罪障を消滅させるのではなく、今世ですべての罪障を消滅していくことが折伏を行ずることにより叶います。

 その「八種の大難」は、過去の悪業や正法を誹謗した果報により受ける罪のことです。大聖人が八種の大難について『佐渡御書』に、
「一には『或は軽易(きょうい)せらる』、二には『或は形状醜陋(ぎょうじょうしゅうる)』、三には『衣服足(えぶくた)らず』、四には『飲食麁疎(おんじきそそ)』、五には『財を求むるに利あらず』、六には『貧賤の家に生まる』、七には『及び邪見の家』、八には『或は王難に遭(あ)ふ』等云云。此の八句は只日蓮一人が身に感ぜり。高山に登る者は必ず下(くだ)り、我人(ひと)を軽(かろ)しめば還って我が身人に軽易せられん。形状端厳(ぎょうじょうたんごん)をそし(謗)れば醜陋(しゅうる)の報いを得。人の衣服飲食をうば(奪)へば必ず餓鬼となる。持戒尊貴を笑へば貧賤の家に生ず。正法の家をそし(謗)れば邪見の家に生ず。善戒を笑へば国土の民となり王難に値(あ)ふ。是は常の因果の定まれる法なり。」(御書582)
と、過去世からの因果応報の道理があります。


 八種の大難を忍びながら折伏の時にも「苦をも苦とおもはず」という気持ちで精進していくことが大事であります。それが末法時代のあるべき仏道修行であり、広宣流布に向かう御命題達成には大切な心がけになるでしょう。