日蓮正宗 正林寺 掲示板

法華講正林寺支部 正林編集部

人生の大難は灸治のごとし

正林寺御住職指導(H25.7月 第114号)

 石にお灸をすえても、何の効き目もない譬えとして「石に灸」という諺があります。しかし、人生の大難はお灸を経穴にすえて治療することと同じであり、特に信心においての大難は御本尊に御題目を唱えることで前向きに生きる原動力に変わり、大難を乗り越えるための力を養う修行となります。
 日蓮大聖人は『聖人御難事』に、
「我等現には此の大難に値ふとも後生は仏になりなん。設へば灸治のごとし。当時はいた(痛)けれども、後の薬なればいたくていたからず。」(御書1397)
と仰せであり、御生涯の大難を大聖人は、お灸をすえて治療するようなことであると御教示であります。大難は仏に成るための灸治と心得て、大難によって成仏ができるか試されて、乗り越えることで成仏に近づいていくことを確信することが大事であります。 

 さらに大聖人は大難を乗り越えるための心がけとして『四条金吾殿御返事』に、
「法華経の御信心強盛なれば大難もかねて消え候か。是につけても能く能く御信心あるべし。」(御書1292)
と仰せであり、また『椎地四郎殿御書』に、
「大難来たりなば強盛の信心弥々悦びをなすべし。」(御書1555)
と仰せであります。
 人生には大難に至らなくても様々な苦難が生じます。その苦難とどのように向き合い解決していくかが大切であります。
 苦難を信心では自行と化他行に渡って考えることが大事であります。自行においては自らの一生成仏のためとなる資糧と考えます。化他行では自分自身の願いを成就することよりも、衆生教化を重視して、すべての人々を救済するという慈悲の一念から、自分自身に降りかかる苦難を四弘誓願の衆生無辺誓願度という視点からの体験と捉え、衆生済度に精進するための貴重な経験として折伏に活かし、その徳として利生得益につながり、苦難の体験が広宣流布のために活きてきます。
 人生の苦難は化他行の貴重な灸治となります。